ビタミンB「群」は「まとめて」摂る
ビタミンB…エネルギー代謝のあちこちで活躍するビタミンですが、それには8種類あることが知られています。それらには異なる働きがありますが、その御利益を受けようとするのであれば「まとめて」摂るのがおすすめです。
ビタミンBとは
なぜ「B」なのか
そもそもなぜビタミン「B」なのでしょうか。すこし歴史を紐解いてみることにしましょう。
1910年代、アメリカ・ウィスコンシン大学付属研究施設のマッカラムらは、さまざまに調整した飼料をラットに与えて成長実験を行いました。その中でマッカラムはラットが成長するためには脂溶性の「A因子」、水溶性の「B因子」が不可欠であるとしました。
これが化学構造も何も分かっていなかった頃の「ビタミンB」の始まりです。
このあたりのお話は「栄養学小史3」にまとめられています。なかなか興味深い流れなのでよろしければご覧下さい。
ビタミンBの種類
各個のビタミンBについてはまた取り上げる機会を作ろうと思います。
この回ではビタミンBにはどんな種類があり、大雑把にどのような役割を持つのか俯瞰してみましょう。
ビタミンB1(チアミン):解糖系で必須。不足すると脚気・ウェルニッケ脳症など。酵母、卵、全粒穀物に含まれる。
ビタミンB2(リボフラビン):3大栄養素のエネルギー代謝に関わる。不足で口角炎など。卵、肉、大豆などに含まれる。
ビタミンB3(ナイアシン):ミトコンドリアでのエネルギー生成に関与。不足で記憶障害、うつ病など。マグロ、肉類、ナッツなどに含まれる。
ビタミンB5(パントテン酸):3大栄養素の代謝に欠かせない補酵素A産生を促進。毒素分解にも関与。肉・乳製品などに含まれる。
ビタミンB6(ピリドキシン):3大栄養素とくにタンパク質代謝に不可欠。脳・神経系にも重要。肉・魚・ナッツなどに含まれる。
ビタミンB7(ビオチン):3大栄養素代謝とくに「髪と皮膚」に重要とされる。不足で脱毛、爪が薄くなるなど。レバーなどに含まれる。
ビタミンB9(葉酸):DNA/RNA合成、アミノ酸合成に重要。不足で二分脊椎症、自閉症など。名前通り野菜に多い。
ビタミンB12(シアノコバラミン):脳、神経、血液のとって重要。高齢で不足しやすい。肉、魚、卵に含まれる。
ちなみに番号が飛び飛びなのにも理由があり、あとで「これビタミンじゃないわ!」という物質が混じっていたことが原因だそうです。
※参考:「ビタミンB群の数字の不思議。なぜ順番じゃないの?」
その摂り方とは…
まとめて摂る
藤川徳美先生はたとえばNOW社のB-50の場合朝晩1カプセルずつ、強化したい場合は朝昼晩1-2カプセルずつ、の摂取を勧められています。
このサプリメントにはビタミンB群全てが十分量含まれています。これだけ摂っていれば通常の状態であれば欠乏することはないですし、
体調改善を目的とする場合にも役立てられます。
なお、ビタミンB群は水に溶ける「水溶性ビタミン」なので余った分使われない分は尿として排出されます。
そのため過剰症の心配はほとんどありません。
ですので、強化したいポイントがあるときには多めに摂るのもアリですね。
病院では処方してもらえないの?
病院やクリニックで処方されるビタミンBには「全部入り」はありません。
必要な成分のみが薬として扱われています。
また「適応」と言って、「こういうときに使うこと」という条件が定められているものも多く、日常的なサプリメントとしての役割ではありませんので注意が必要ですね。
ビタミンB1:消耗状態、神経炎
ビタミンB2:口角炎、口内炎、脂質異常症
ビタミンB3(ナイアシン):脂質異常症(ニコチン酸アミドのカタチで)
ビタミンB5(パントテン酸):脂質異常症、便秘
ビタミンB6(ピリドキサミン):多くはB1・B12と一緒に組み合わされている…末梢神経炎や栄養障害
ビタミンB7(ビオチン):掌蹠膿疱症
葉酸:葉酸欠乏症、大球性貧血
ビタミンB12:胃切除後、末梢神経炎
個別に強化したいビタミンがあるときや治療が必要なときには良いかもしれません。
詳しい先生に聞いてみるとよいでしょう。
まとめ
参考
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