エネルギーを作るのに欠かせないビタミン・ミネラル~代謝で考える~
私たちの日々の活動のエネルギーは(精神的なものを除けば)ATPです。アデノシン三リン酸。これがどのように作られるのか。今回は例として糖の代謝を考えてみることにしましょう。
エネルギー、すなわちATP
ATPは1日に人間の体重分ほども作り出されるとされています。
しかし、ATPは体内にはそのうちのごく微量(100g程度?)しか存在しません。
これはATPが貯蔵できず、つねに作り出されなければならないことを意味しています。
このATP=エネルギーを作り出す基本的な仕組みを知り、そこに何が必要かをまとめていきます。
糖は主に三段階でエネルギーを作り出す
エネルギーを作り出す元となる物質は糖であったり、脂質であったり、タンパク質(アミノ酸)であったりします。
どれを元にしてエネルギーを作るかについては実際には体内で精巧に調節されています。
今回ここではわかりやすくするために糖でのエネルギー産生を考えることとします。
おおよそこのような流れでATPが産生されます。
最初の解糖系は細胞の間質(細胞内かつ細胞内器官でないところ)で行われ、酸素がない状態でも作動します。
ここで一つのグルコース(糖)から2つのATPが産生されます。
そしてそこで出来た物質が細胞内のミトコンドリアに入り、TCA回路という化学反応のサイクルに取り込まれていきます。この途中でATPがさらに2つ産生されます。
そしてミトコンドリアの内膜の内外での電位差を利用する電子伝達系に進みます。ここでは一気に34個のATPが産生されます。
TCA回路も電子伝達系も少し複雑なので大雑把に捉えておくだけで十分です。
もう少し学んでみたいという方はインターネットでもたくさん情報はありますし、生化学の教科書を紐解いてみるとたくさん記述があると思います。
(リクエストがありましたら当ブログでもまとめてみようと思います)
グルコース1分子から38個のATPが作られることになり、まとめるとこうなります。
エネルギー産生をスムーズに運ぶためのビタミン・ミネラル
こうしてみると電子伝達系でのATP産生が突出して多く、ここまでの流れがスムーズであることがとても大切になってくるわけです。
エネルギー産生経路が渋滞したり遅滞したりしないよう、スムーズに反応を進めることが大切となります。
(これは糖を元にする場合以外でも同じことが言えます)
そのためには産生経路で必要になってくる補酵素としてのビタミン・ミネラルが大切になります。
各産生経路で大切なビタミン・ミネラルは以下の通りです。
解糖系にはビタミンB1、
TCA回路にはビタミンB1・B2・ナイアシン(B3)・パントテン酸といったビタミンB群と鉄、マグネシウム、
電子伝達系ではビタミンB群、鉄、CoAQ10が必要になります。
これらが不足しないように、必要に応じて補いたいですね。
エネルギー産生に必要なビタミンミネラルのTIPS
エネルギー産生に必要なビタミン・ミネラルが不足しやすい状況について簡単に箇条書きにしてみます。
参考にしてみてくださいね。
・若い女性(生理のある)女性では鉄が不足しやすい。
・エネルギー消費が多い人ではビタミンBが不足することがある。
・糖質の取り過ぎでビタミンB1が不足する。
・アルコールをよく飲む人ではビタミンB1、ナイアシン、Mgが不足しやすい。
・年齢を重ねるとCoAQ10が低下しやすい。
まとめ
疲れに負けず日々を過ごす=エネルギー産生をスムーズに進めるために、ビタミン・ミネラルの摂り方についても意識してみるといいですね。
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