片頭痛は栄養で治る!か?

片頭痛は栄養で治る!か?

日常の活動に支障を来すのが頭痛です。かくいうこぶさんも片頭痛で半年ほど仕事に支障を来したことがあります(現在はほとんど頭痛を起こすことがありません)。今回は片頭痛や緊張性頭痛に対する栄養のコツをお話します。

栄養で片頭痛治療のターゲットにするのは5つ!

セロトニン

セロトニンは脳内の神経伝達物質として知られており、精神の安定や感情・気分のコントロールに深く関わっています。通称「しあわせホルモン」とも呼ばれます。セロトニンはL-トリプトファンというアミノ酸から作られます。これが豊富に含まれている食品の代表は牛乳です。アミノ酸はタンパク質が分解されたものですので、タンパク質をしっかり摂るとL-トリプトファンも摂れることにもなります。プロテインやタンパク質がしっかり含まれた食品を摂りましょう。

自律神経

交感神経と副交感神経のバランスが大切と言われています。これは片頭痛でなくとも言えることかもしれませんね。適度な運動、熱すぎないお湯で入浴、呼吸法(5秒吸って5秒吐く)など、日常生活の中にいろいろ取り入れることができます。

ミトコンドリア機能

ミトコンドリアは細胞内器官であり、細胞内においてエネルギー産生の主戦場と言っても良いものです。ミトコンドリアでは主に酸素を用いたエネルギー産生(TCAサイクルや電子伝達系、と呼ばれる)が行われますが、その機能が低下すると脳内に乳酸がたまりやすくなり、頭痛につながるとの考え方です。ミトコンドリア機能をサポートする栄養素と言えばビタミンB群。ビタミンB群には多くの種類がありますが、1種類にこだわらずにB群全てを摂ると良いでしょう。

マグネシウム

マグネシウムは筋肉を緩める作用があります。この場合は血管のれん縮(拡張する前にギュギュッと縮むこと)を防ぐ役割が期待できます。またマグネシウムは「膜」を安定化させる働きがあり、その欠乏は細胞自体やミトコンドリアの機能を低下させてしまうとされています。積極的に補いたいミネラルの1つですね。マグネシウムの静脈注射で頭痛が劇的に消失した、などという報告もあります。

マグネシウムが豊富に含まれる食品にはアーモンド、カシューナッツなどのナッツ類、大豆製品、穀物(米・玄米)などがあります。

活性酸素除去

活性酸素とは酸素を取り入れて代謝活動を行う際に出てきてしまう「できそこない」のような物質です。わたしたちが酸素を取り込んでエネルギーを作り出している以上、ある程度できてしまうのは仕方のないことです。中でもNO(一酸化窒素)は血管を拡張させる力が強く、これが片頭痛に関与していると考えられています。

これを打ち消すものとしてはビタミンC、ビタミンEなどの「抗酸化ビタミン」があります。ビタミンCは大量に摂ると頭痛によいともされます。ビタミンAもその中に含まれますが、ビタミンAは過量になると頭痛を起こしてしまうそうです。難しいものですね。

カフェインは…

頭痛時にカフェインを摂るのは効果的とされていますが、ふだんからカフェインを多量に摂っている(1日500mg以上)とカフェイン離脱(カフェイン切れ)で頭痛が誘発されてしまいますのでほどほどにしましょう。

まとめ

片頭痛の栄養療法は…

① L-トリプトファン(もしくは潤沢なタンパク質)

② マグネシウム

③ ビタミンB群

④ ビタミンC、ビタミンE

 

参考:頭痛大学「MBTによる片頭痛の治療」http://zutsuu-daigaku.my.coocan.jp/hosp/51mbt.htm