氷水出し緑茶の威力

氷水出し緑茶の威力

日本人にはなじみ深い「緑茶」。中でもそのカテキンが健康のためには良いとされますが、今回はそのカテキンをさらに詳しく見てみましょう。

緑茶のカテキン

カテキンて何だっけ?

カテキンはポリフェノールの一種です。なのでまずはポリフェノールのお話から。

ポリフェノール

植物が光合成を行う際にできる物質の総称で、約5000種類以上も存在しています。

抗酸化作用(サビ止め)を持つものも多く、健康食品やコマーシャルなどでも目にすることが多いでしょう。

代表的なものには以下のようなものがあります。

・カテキン:茶などに含まれ殺菌作用を持つ
・アントシアニン:ブルーベリーや紫芋などに含まれ目に良い成分としても知られる
・プロアントシアニジン:ブドウの種、赤ワインなどに含まれる
・タンニン:茶やバナナなどに含まれる渋みで殺菌作用を持つ
・ルチン:ソバに含まれる
・イソフラボン:大豆などに含まれ、女性ホルモン様の作用をする
・クロロゲン酸:コーヒーに含まれ、脂肪燃焼に関係する
・エラグ酸:イチゴに含まれ、美容成分として注目される
・リグナン:ゴマに含まれる成分でセサミンもその一種であり、抗酸化作用を持つ
・クルクミン:ウコンに含まれ、抗酸化作用を持つ

どこかで聞いたことのある成分も多いのではないでしょうか。

緑茶カテキン

話をカテキンに戻しましょう。カテキンはポリフェノールの中でもフラボノイドという物質に分類されます。

そして、緑茶中には4種類のカテキンが存在することが知られています。

エピカテキン(EC)
エピガロカテキン(EGC)
エピカテキンガレート(ECG)
エピガロカテキンガレート(EGCG)

温かい緑茶中に一番多いのはエピガロカテキンガレートで約6割を占めます。これは抗炎症作用を持っています。

また、中性脂肪の吸収をゆるやかにするという作用も持っていて、それを応用した飲料も発売されていますね。

一方のエピガロカテキンはマクロファージの働きを活性化させて外敵の侵入に対処する力を上げてくれることが知られています。

しかしこの作用はエピガロカテキンガレートに邪魔されてしまいます。

水出し緑茶の威力

エピガロカテキンは出て、エピガロカテキンガレートは出にくい

水出し緑茶・氷水出し緑茶にすると、エピガロカテキンガレートの溶出が減ることが分かっており、それによってエピガロカテキンの御利益を存分に受けることが可能となります。

水出し緑茶によってインフルエンザワクチンの上乗せ効果を示したという論文も書かれました。

ビタミンも壊れずに溶け出すのでスポーツ時にもおすすめかもしれませんね。

氷水出しにすると…

さらに氷水で出す(0.5℃)とカフェインの溶出量が減ります。興奮作用が弱くなることで、緑茶の旨味成分のひとつテアニンの作用が相対的に強くなります。

下図Aは水出し(10℃)緑茶の成分溶出度、Bは氷水出し(0.5℃)です。氷水出しではカフェインの量が抑えられているのが分かります。

また、両者ともエピガロカテキンは出ており、エピガロカテキンガレートは抑えられています。

 

JARQ 52 (1), 1 – 6 (2018)

テアニンにはリラックス効果があり、気分を落ち着かせてくれます。

ちなみにテアニンは高級品種になるほど多い傾向があるそうです。

やり方は簡単

氷水1リットルに茶葉15-20gを入れて1時間待つだけ。

超簡単ですね!

品種に注意

氷水出し緑茶は新茶や煎茶でやると良いです。

玉露やかぶせ茶など日光を遮って栽培されるものや抹茶にはエピガロカテキンが少ないとのことです。

紅茶、ウーロン茶も製造工程の中でエピガロカテキンが酸化されてしまうためおすすめできません。

寒い季節は

一度氷水出しをしておけば、その後温めるのは問題ないとのことです。

ただし、ポリフェノールは酸化されやすいので早めに飲みましょう。

お湯でお茶をいただくときにはカフェインの効果が期待できることになりますので使い分けもいいですね。

まとめ

・カテキンはポリフェノールの一種

・エピガロカテキンは免疫力を活性化する作用を持つ

・水出し/氷水出し緑茶はエピガロカテキンの御利益を受けることができる方法

・氷水出しだとカフェインが少なく、テアニンの御利益も受けることができる

参考

フィルター付きのボトルっていうのがあるのですね。
紙パックに茶葉を入れなくてもいいのは便利かもしれませんね。
レビューでも高評価のようです。