レモン換算はもう古い?!…ビタミンCはこう摂る

レモン換算はもう古い?!…ビタミンCはこう摂る

「レモン●●個分のビタミンC入り!」…ときどき見かける表現ですね。具体的な食品に例えるとイメージとしてなんとなく伝わりやすいものです。そんなビタミンCの摂り方について今日はちょっと考えてみましょう。

ビタミンCは不足している!

日本人の食事摂取基準(2020年)においては、ビタミンCの所要量は1日100mgとされています。ちなみにこれはレモン5個分(正確にはレモン果汁5個分)となります。

ビタミンCが何者なのかは別項に譲るとして、100mg摂ること自体は通常の食生活ではそこまで難しくないこととされています。が、実際の摂取量を「国民栄養調査(2018年)」で見てみると意外と苦戦していることが分かりました。年代によってはまったく足りていないというデータも出ていましたし、全体としても足りていないということです。

ビタミンCが不足すると壊血病(血管が壊れ、出血しやすくなる)となります。現代ではほとんど見ることのなくなった疾患ですが、臨床では所要量が多いと思われるご高齢の方に皮下出血(あおじなど)が見られることがしばしばあり、ビタミンCを補充していただくことでそれが出なくなることを経験します。

やはりビタミンCが不足状態にある方も居られることを感じました。

ビタミンCの適切な摂取量とは?

ビタミンCの作用おさらい

これもまた別の機会にじっくり取り上げたいと思いますが、ビタミンCの御利益は実に多彩です。先に挙げました日本人の食事摂取基準(2020年)では心臓血管系を守る作用が取り上げられていますが、それだけにとどまりません。

こ、こんなにあるの?!という感じですが、そうなのです。こんなにあるのです。不足させている場合じゃありませんね!

必要量の個人差がすごい?!

分子栄養学においてどのビタミンでも言えることですが、その人に適した摂取量には個人差が相当あります。ビタミンCも例外ではありません。

1日に3gが適量の人も居れば、10g以上でもまだまだ、なんてこともあります。

こぶさんはお話しするときに1日3gから始めてみましょうということが多いです。ほとんど副作用なく摂取できることができる量、という感じです。

そこから徐々に増やすことで無理なく増量していけると思います。

ちなみに…

ビタミンC3gはレモン150個分になりますが、もはや食品で摂るとかいうレベルでないことは分かっていただけると思います。

ビタミンCをダムの水にたとえる

ダムを満たそう

ビタミンCはダムの水に例えられます。

少量でも世の中に水は回りますが、しっかり蓄えられるとそれだけの余力として「ゆとりのあるカラダ作り」に直結しますねとお話しすることが多いです。

みなさんもご自身の「ビタミンCダム」を満たしていきませんか。

ダムが溢れたときに…

唯一の、言ってもよい副作用は下痢です。これも各自の適量を判断する指標となりますので「下痢したからビタミンCを止める」ではなく、「下痢したのでビタミンC減らす」という風にするとよいでしょう。

ダムの放水は体調により変化する…

ビタミンCダムの放水はご自身の体調によっても大きく変わります。

たとえばストレスがかかっているとき、感染を起こしているとき、こんなときは大量に放水がなされます。

となると、そういうときには普段以上のビタミンC補給が必要となるわけですね。

ご自身の状態にあわせてビタミンCの量を増減できるようになれば、なかなかの腕前です。

まとめ

ビタミンCについてはまだまだお話したいことがあります。またの機会にぜひ!

・ビタミンCは足りてない!

・摂取適量の個人差が大きい(まずは3g程度からいかがでしょう)

・ビタミンCのダムを満たして御利益をたくさんいただきましょう

・体調によりビタミンC摂取量を変えられればバッチリ!

参考